クリシー広場の近くに、青々と雑草の繁る空き地がある。そのすぐ近くにImpasse de la Défenseという袋小路があって、小路の奥にはプレタのブランド”Impasse de la Défense” のアトリエがある。ブランド立ち上げは96年、2シーズン前からメンズも手がけている。 デザイナーのカリム・ボネは生化学を修めた後モード学校を卒業し、服づくりを始めようとしたが気に入る布がなかった。そこでペインターのヴァンサン・ヴォアザンが布に絵を描いた、というのがコラボレーションの始まりだ。以来、レギュラーで協力するペインターは3人ほどに増え、その他にも随時参加のアーチストたちがカリムの作るドレスに思い切った色をのせる。各々がもたらす創造性がどんなものを形成するのかワクワクさせられるのは、ミュージシャンたちの即興演奏さながら。 金網工場跡を利用したアトリエを訪問すると、当時使われていた機械や工具、看板やストーブが残っているなか、宙に貼られたヒモやハンガー掛けに、ペイントされた服がたくさん吊られていた。注文があれば同じものを複数作るのが、一枚一枚ペイントする「一点物」。日本でも “Beams” やシマムラなどで販売されパリでは”Dalle&Biole” などのセレクト・ショップで扱われている。(美)
パリで “Impasse de la Defense” が買える店 |
カリムのアシスタント、ジェーン。10人ほどがアトリエで仕事をする。 天井から吊されたサンドバックのようなトルソは、当ブランドのオリジナル。 アトリエの2階で裾あげ作業中のステファン。白い作業着はペンキだらけ。ペイントしたのかと思ったら、自然にこうなった、とか。 |
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