●レジーヌ・カヴァニューさん死す 今年の1月、ワールドカップ・スキーシリーズのスーパー大回転で2度にわたって金メダルに輝いたレジーヌ・カヴァニューさん(31)が、10月29日、オーストリアのピツタルスキー場で滑降練習中に、ドイツチームのコーチと激突。頭部や肺に重傷を負い、2日後、インスブルックの病院で死亡。11月5日、彼女の出身地ラ・クリュザ町で行われた葬儀には、フランススキーチームの主な選手が参列し、町民ともども、別れを惜しんだ。 ●テロ対策で治安強化 10月31日、テロ対策を目的とした治安強化法案が国民議会で可決された。これまで警察官には禁止されていた自動車内の捜索や、空港・駅・デパート内などでのガードマンによるカバンやボディーチェックが認められるようになった。また、銃器の通信販売を禁止すること、市民が銃を購入する際は身分証明を控えること、野外でのテクノパーティーは県庁に届け出ること、団地の建物のホールなどに人がたむろして通行の妨害や騒音のもとになった時には、管理人などが警察の介入を求めることができること、などが主な内容。2003年末までの時限立法とはいうものの、人権保護協会などから、テロ対策と無縁な項目も多く人権侵害に通ずる悪法だという批判があがっている。警察の取り締まり行き過ぎを警戒する声も強く、緑の党は反対票を投じた。右派諸党は「まだ生ぬるい」と反対。 ●ミシェル・ペラールさん釈放 10月9日、”パリ・マッチ” 誌のジャーナリスト、ミシェル・ペラールさんは、女装して、パキスタンのジャーナリスト 2人とアフガニスタンに密入国した直後に逮捕された。国際通話可能な携帯電話を所持していたところからスパイの容疑がかかり、ジャララバードにある収容所で取り調べを受けていたが、11月3日、釈放され、パキスタンに戻ってきた。「収容所には400人あまりの政治犯が拘留されていた。(…)タリバーン政権がアメリカの空爆に動揺しているようには見えなかった」などと語った。 ●セバスチャン・グロジャン選手が優勝 11月4日、パリで開催されていたベルシー国際テニストーナメント決勝で、セバスチャン・グロジャン選手はロシアのエフゲニー・カフェルニコフ選手と対戦し、強力なサービスを生かした攻撃で快勝 (7-6、6-1、6-7、6-4)、賞金48万ユーロを獲得。フランス人が優勝したのは、1991年のフォルジェ選手に続いて2度目。 ●コンコルド再飛行 昨年7月25日、ロワシー空港離陸時に火を噴き、近くのゴネス市に墜落して死者113人を出した超音速機コンコルドは、構造上に欠陥があるとして飛行を中止されていた。その後、燃料タンクを補強したり、ミシュラン社新開発のパンク不可能というラジアルタイヤを装着したりなどの改良がなされ、今年の9月5日に再び飛行認可が下りた。試験飛行も無事に終え、11月7日午前10時半、ゲソー運輸相などを乗せたコンコルド機ニューヨーク便が離陸。とはいえ、米国多発テロ以来、米国—フランス間の乗客が25%減っているなど(湾岸戦争直後の1992年にはコンコルド機を使った便は3億フランの赤字だった)、経営的には予断を許さない。 ●ジュッシュー大学のアスベスト パリ5区、ジュッシューにある大学施設には、肺がんなどの原因となる石綿(アスベスト)が大量に使用されていたことがわかり、現在、撤去工事が進められている。反アスベスト委員会は、工事中は大学を封鎖すべきとパリ行政裁判所に訴えていたが、11月8日、同裁判所は訴えを却下。しかし火災の際の対策が不十分であるとし、国に6カ月以内に改良工事が行われたかどうかの調査を要請した。 |