単独無寄港世界一周ヨットレース〈ヴァンデ・グローブ〉に参加したイヴ・パルリエさん (40) が、3月16日、優勝したデジョワヨーさんに34日遅れてレ・サーブル・ドロンヌ港に戻ってきた。
パルリエさんは11月9日にスタートして以来トップを争っていたが、12月17日、25mの帆柱が折れてしまう。レース放棄をという声も強かったが「心理的なことですが、私の気持ちを救うためだったのです。放棄したら完全な負けだけれど、これで半分だけの負けですむでしょう」
ニュージーランド沖のスチュアート島で10日間かけて、接着剤を温める炉を作ったりしながら、クルーソー顔負けの器用さで帆柱の使える部分をつなぎあわせることに成功する。独りでその帆柱を立てるという困難な作業も成し遂げ、1月17日に再スタート。最後の10日間は食料も底をつき、釣り上げた飛び魚や海草で食いつないだ。この13位のヒーローを称えようと港の桟橋は人で埋まった。「子供たち、そして妻とゆっくり時間を過ごすことができるといいのですが…」(真)
“C’est psychologique, c’est plutôt une sauve- garde morale. Si j’avais abandonn, ça aurait été pour moi un échec total. L, c’est un demi-échec.”