OVNI 445 : 1999/10/15 N° 445 1999-10-15 ●第4回ラグビー・ワールドカップ開幕 ウェールズを主催国、フランス、英国、アイルランド、スコットランドを共催国として、10月1日からラグビー・ワールドカップ開幕。5つのグループに分かれて予選が始まったが、初戦でフランスはカナダを33 – 20で破った。南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアといった南半球勢が相変わらずの強さを見せつけた。 ●ベルナール・ビュッフェさん自殺 10月4日午後、画家のベルナール・ビュッフェさんがオ・ヴァール県にある自宅で自殺を遂げた。71歳。パーキンソン病にかかっていて絵が描けなくなっていたことが原因と見られている。角張った黒い輪郭やその暗いトーンが日本人に愛され、三島市に世界唯一のビュッフェ美術館がある。フランスではアルザス地方のコルマール市にビュッフェ美術館が建設される予定だ。 ●パリ3区の水増し選挙人名簿事件 1995年末、パリ3区の区役所のコンピューターに消し忘れられていたデータから、89年の区長選挙で再選を目指していたジャック・ドミナッティ派が水増しした選挙人名簿を使っていた事実が判明した。その後の取り調べで、3区に住まずにドミナッティ氏に投票した人が486人いることがわかった。現在同区の助役を務める緑の党のイヴ・コンタソ氏と社会党のピエール・モンタシエ氏は、当時のパリ市長、シラク大統領を証人として喚問するようにという要求を予審判事に提出。また、パリ市長のチベリ氏が区長を兼ねている5区でも、架空の住所やパンテオン広場のホテルなどに多数の選挙人が居住登録されていたことがわかった。 ●「ノン」と言った男 10月初めからポルト・マイヨのPalais des Congresで上演されている”1940/1945 de Gaulle : celui qui a dit《non》” は、第2次世界大戦中にレジスタンスを導いたドゴール将軍を主人公にした大がかりな歴史劇 (ロベール・オッセン演出、ジャック・ブデ主演)。RPRの基を築いたともいえる大政治家だけに、脚本にはペルフィット元外相やドゥコー元フランス語圏相が携わった。総裁選を前にして分裂に苦しんでいるRPRのリーダーたちは初日に押しかけた。Gaullisme (ドゴール主義) の復活、そしてRPRの立て直しを夢見るシラク大統領は、すでに2回も観劇。 ●新しいマリアンヌにレテシアさん フランス全国の市長室には共和国のシンボルとしてマリアンヌの胸像が飾られているが、10月7日、2000年のマリアンヌのモデルとして、15000人の市長の投票でファッションモデルのレテシア・カスタさんが選ばれた。カスタさんはコルス島生まれで、同島出身の代議士は左右を問わず、コルス島の誇りと大喜び。共和国のシンボルにファッションモデルとは、という非難の声もある。 ●毎年恒例のようになった高校生デモ 8月初めモンペリエやトゥールーズなどで始まった高校生のデモの余波は全国に広がり、9月30日、FIDL (高校生民主独立連盟) などの主催で83県でデモ、15万人以上が参加した。教員組合もデモ隊に加わり、声を合わせて教員の不足、不十分な施設、過剰なカリキュラムなどの教育条件を改善するよう訴えた。アレーグル教育相は、「欠点ゼロという私の目標に変わりはないが、まだ時間がかかる。改革というのはすぐに完璧にはならない」と彼らの要求を黙殺。10月7日、2回目の全国デモが組織されたが、動員数は大きく減って10万人。パリでは昨年の高校生デモ同様に、デモ隊に紛れ込んでいた破壊分子が商店を襲い、レピュブリック広場で約40人の若者が逮捕された。リベラシオン紙によれば、機動隊は厳しい取り締まりに抗議する一般高校生20人にも殴る蹴るの暴行を加えたという。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。