Tarte aux tomates et courgettes
この前の土曜日はダニエルさんの誕生日で、お昼ごはんに招かれた。20人ほどが集まり、庭でビュッフェ形式のパーティーが始まった。きれいなテーブルクロスが掛けられた大テーブルに、ローストポーク、タブレ、さまざまなサラダ…。その中でもおいしかったのが、彩りもきれいなクルジェットとトマトのパイ。さっそく彼女に作り方を教わった。
「パイ生地は、pâte feuilletéeが歯触りが軽くていいけれど、これは作るのが大変なので、既製品で間に合わせることにしている。それも、すでに丸く伸ばしてあるものが便利。私は直径28センチの型で焼くので、少なくても230グラムの生地が必要です」
まず、天火の目盛りを6か7 (約210度) に合わせて点火。
バターを薄く塗った型に生地を敷き、はみ出た部分を切り取り、底をフォークの先でつついておく。
トマト2個とクルジェット2本は薄く輪切り。ラクレット用のチーズは固い皮をとり、短冊に切っておく。
ボールに卵3個をとり、よく割りほぐしたら、トマトピュレと生クリームを大サジ3杯ずつ加える。細かくみじんに切ったニンニク2片、エルブ・ド・プロヴァンス大サジ1杯も混ぜ入れて、塩、コショウしたら、生地の上に流し入れる。
その上に、トマトとクルジェットをまんべんなく並べ、さらにチーズを置いて、熱くなっている天火に。30分ほどで焼き上がる。パセリを散らして食卓へ。熱々の方が、チーズがとろけるようでうまい。「トマトは、水気が少なく味の濃いものを使いたい。その点、夏に出回るolivettesは素晴らしい。チーズは、グリュイエールでも、コンテでもおいしくできる。カマンベールの残りを皮をむいて使ってもいい」 (実)
材料 (4~6人分) : パイ生地pâte feuilletée約230グラム、ラクレット用チーズ200グラム、トマト2個、クルジェット2本、卵3個、トマトピュレ大サジ3杯、生クリーム大サジ3杯、ニンニク2片、エルブ・ド・プロヴァンス大サジ1杯、パセリ、塩、コショウ。
●tomates “olivettes”
南仏で作られているオリヴェットは、初夏になると出回り始め、8月、9月くらいが一番おいしいトマト。名前どおり、オリーブに似た紡錘形で小振りだが、オランダやベルギー産の、形が整っているだけで味の薄いトマトに比べると、段違いのうまさです。それに旬の時には、キロ5フランほどで大安売りされたりするのがうれしい。そんなときは大量に買って、パスタ用のトマトソースを作って冷凍したい。皮が少し厚いのが欠点だけれど、薄く切れば素晴らしいトマトサラダにもなる。
●tomates en grappe
最近八百屋さんで人気の高いトマトで、値段も高め。枝付きでみんな一様に真っ赤だから、畑で完熟されたような印象を受けるけれど、惑わされてはいけない。中にはうまいものもあるが、味のないトマトが多い。マーケティングと、形が揃うように同時に熟させるハイテクから生まれたトマトです。
●tomates cerises
サクランボ大の小さなトマト。塩をつけて歯ごたえのある身をかじると、香り高いトマトの味にむせるようだ。
●pâte feuilletée
サクサクッと軽い歯触りのpâte feuilletéeは、パイ生地の中でも作るのがむずかしいから、フランス人も既製品に頼ることが多い。1時間ほど室温で解凍しなくてはいけない冷凍生地surgeleと、すぐに使える生地fraicheの2種類がある。バターの量が多く扱いがむずかしいので、すでに丸く伸ばしてあるものが便利。熱に強い紙feuille de cuissonといっしょに丸めてあることが多いが、この紙を下になるように型におさめれば、型にバターを塗る必要もない。焼き上がりにツヤを出したいときは、刷毛を使って、水少々で薄めた卵の黄身を生地の表面に塗る。
*230グラムくらいのものが1個6~10フラン。