高級なレストランがいちばん少ないといわれている20区に、昨年11月の開店以来、遠方からもお客さんがやってくるフランス料理店がある。メニルモンタンに住むアーティストたちの広報を担当しているキャティーさんも「経営者やスタッフがとてもサンパで、昔のパリの下町を思わせるあたたかさが気に入っている」
100年以上続き、この界隈の中心的存在であるビストロ”Le Lou Pascalou” のオーナー、通称モモ氏が、広場向かいの元パン屋を買い取り、改装。地元のアーティストが協力し、パンの製造工程を描いた天井画、モザイクタイルの床、壁にはバゲットをモチーフにしたレリーフと、内装はパンがテーマになっている。
3ツ星レストランで修行を積んだ若いシェフによる、工夫を凝らした料理が楽しめる。3週間ごとに替わるメニューの中から、アントレには鰯のリエット。新鮮な鰯のあらいたたきで、ビネガーがきいていてさっぱりしたうまさ。メインには鴨の胸肉蒸しリンゴ添え。リンゴの甘酸っぱい風味が鴨の味を引き立て、コショウがきいたソースもおいしかった。黒板のメニューには、伝統を大切にしながらもオリジナルなセンスを生かした料理が並んでいる。お客さんがわざわざ遠くから来るのは、雑誌に何度か紹介されたということもあるが、庶民的な値段 (20h30まで注文できる昼のメニュー: 59F/69F。夜のメニュー : 78F/98F) に大きな理由があるようだ。(尚)
La Boulangerie
Adresse : 15 rue des Panoyaux, 75020 Paris , FranceTEL : 01.4358.4545