OVNI 426 : 1998/11/15 N° 426 1998-11-15 ■ インフレさようなら フランスでは9月に物価が上昇せず。この1年間の消費者物価指数はわずか0.5%の伸びという歴史的な低さになった。石油の価格が下がっていることや、ドルがフランに比較して弱くなっていることが原因。それに引き替え、公務員の給料や家族手当は1.3%増なので、消費が伸び、景気上昇につながるのではないかと期待されている。 ■ 教会内の超自然現象? 10月中旬以降、オート・ソーヌ県の小さな町ドゥランの教会で、聖母マリア像が落下したり、花瓶が割れたり、ロウソクが飛んだりのポルターガイスト現象が引き続いて起こり、エクソシストを呼んだり、ヨーロッパ各地の記者が押しかけてきたりの大騒ぎ。警察の調べで、この超自然現象を仕掛けたのは、ティエリー・マルソー市長 (34) であることが判明。町議会は市長の辞職を要求している。 ■ フランス軍司令官に疑い 10月31日、北大西洋条約機構 (NATO) に属するフランス軍司令官ピエール・ビュネル少佐 (46) は、セルビア人諜報員に軍事機密書類を手渡した容疑でパリで逮捕された。 ビュネル少佐は「セルビアを支持する気持ちから報酬なしでおこなった」と自供。機密書類の内容は、アルバニア人が多数を占めるコソボ地方からセルビア軍が撤退しない場合のNATO軍空爆目標に関するものだったとみられている。今年4月にも、フランス軍のエルヴェ・グルムロン司令官が、民族浄化の疑いで国際犯罪裁判所から逮捕状が出ているセルビアの元指導者の逃亡を助けたとして、米国などから非難された。 ■ ハロウィン・ブーム この数年、フランスでも祝われ始めていたハロウィン祭。マクドナルド社、コカコーラ社、フランス・テレコム社などがTVで流し続けたCMが効を奏してか、今年は若い人たちを中心にハロウィンが爆発的な人気。喜んだのは、仮装衣装を製造している Masport 社で、昨年120万フランの売り上げを3000万フランに伸ばした。カボチャ栽培業者も40%近い収入増。 ■ 養豚業者デモ 万聖節の休暇中、ブルターニュ地方を中心に養豚業者がハイパーで豚肉製品を無料で配るなどの抗議行為。生産原価キロ当たり9.50Fのところ、卸値段がキロ当たり5.21F まで落ち込んでいるため。11月3日、ジャン・グラヴァニー農相は「危機に陥っている零細業者を救う」ためにと、9月の1億フランの助成金にさらに1億5000万フランを上乗せ。ただし過剰生産という根本的な原因への解決策は出ていない。 ■ 高校生デモ下火に フランス全国で50万人 (10/15) に次ぎ28万人 (10/20) が参加した大規模な高校生デモに応えて、アレーグル文部大臣はカリキュラムの軽減策を実施。それだけでは不十分として、11月5日再度デモが呼びかけられたが、参加者は全国でわずか3万人。「最初のデモの時は、高校生1000人に対して機動隊1人だったが、今回は高校生1人に機動隊1人!」と、パリのデモに参加した高校生。 ■ ニューカレドニア独立への第一歩 11月8日ニューカレドニアで、独立へ向けての自治権拡大などを取り決めたヌメア協定の批准 (今年5月に調印された)を問う国民投票が行われた。島民の積極的な関心を反映して投票率は74.24%と高く、賛成票が71.87%に達した。反対派が多いとされた南部でも63%が賛成票を投じた。15年後あるいは20年後の完全独立に向けて、教育やその他の行政面で徐々に自治権が移行していくことになる。 ■ ジャン・マレー死す 11月8日、俳優のジャン・マレー氏が84歳で亡くなった。1937年、ジャン・コクトーの肩入れで演劇「エディプス王」でデビュー、46年にコクトーが監督した「美女と野獣」(戦後日本に初めて輸入された仏映画) で野獣を演じて国際的な評価を得た。その後も映画・演劇の世界で大活躍。亡くなる1年前まで、シェイクスピアの「テンペスト」の準備中だった。 フランスは失業率低下に向かう? 2,954,700人 98年9月現在 −173,000人97年6月に比べ – 5% 1年前の失業率 12.6% →現在 11.7% 97年秋の若年雇用新対策の成果 13万件 若年雇用年間創出数 9万人 実際の被雇用者数 年齢別失業手当受給者の割合 35% (~30歳) 45% (30~45歳) 20% (50歳~) *10月30日発表の労働省の統計から。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。