OVNI 421 : 1998/8/1 N° 421 1998-08-01 ■ W杯初優勝の余波 7月14日恒例のエリゼ宮での記者会見で、シラク大統領は「三色であると同時に多色でもあるこのチームは、人道主義という点でフランスのイメージを高めてくれた」と語った。96年の欧州選手権当時は、「11人がフランスを代表していると思ったことなど一度もない」とさまざまな人種からなるフランスチームを批判した、国民戦線党のルペン党首も「愛国心と祖国に仕えるという意志を共有するなら、異なった人種あるいは異なった宗教を信じている者もフランス市民でありうる」と苦しい発言。 ■ バカロレア合格率上昇 今年のバカロレア合格率は、昨年を1.5%上回る78.8%で、48万人が大学入学資格を取得した。一番成績がよかったのはレンヌの学区で84.4%、最低の成績はパリ郊外をふくむ地域で71.2%。 ■ ツール・ド・フランスに暗雲 自転車ロードレースの最高峰、ツール・ド・フランスが7月11日にスタートしたが、大会ディレクターは17日、フェスティナ・チーム (優勝候補のリシャール・ヴィランクなどをふくむ) をドーピング違反のため、今回のレースから追放すると、発表した。今月8日、増血ホルモンなど大量の禁止薬物を運搬していた同チームの医療スタッフがベルギー国境で逮捕された件について、ルセル監督が関与を認めたため。23日には、オランダのチーム TVMの責任者たちも、ドーピング容疑で取り調べを受けた。 ■ 元三閣僚起訴される 共和国法院の予審委員会は、84~85年のエイズウイルス汚染血液事件で、当時のファビウス首相、デュフォワ社会問題担当相、エルヴェ厚生担当政務次官を起訴することを決定した。三人は、汚染された非加熱血液製剤の撤去を遅らせたこと、米国で開発されていたエイズ感染早期発見法の輸入を阻んだことなどの責任を問われている。INSERM (健康・医学国立研究所) の調査によれば、血友病患者に限っただけでも84~85年の期間に輸血で298人がエイズに感染し、死亡している。 ■ 増税、減税 7月21日、ストロスカーン経済・財政・予算相が発表した来年度の予算案によると、富裕者を対象とした富裕連帯税は約20億フランの増税、企業が地方自治体に払っている事業税は、雇用対策として84億フラン減税される。自治体の財源減少分は国が肩代り。身近なところでは、電気・ガス基本料金への課税が20.6%から5.5%に下がり、大気汚染の要因であるディーゼル車用 gazoil (軽油)は 1リットルにつき約9サンチームの値上げ。 ■ ドパルデュー、酔っ払い運転で有罪 5月18日、俳優のジェラール・ドパルデュー氏は撮影現場に向かう途中モーターバイク事故を引き起こし、事故直後のアルコールテストで血液中に許容量の5倍に当たる2.6グラムのアルコールが検出された。7月23日、ヴェルサイユの軽罪裁判所は、執行猶予付き禁固3カ月、罰金1万フラン、15カ月間の免許停止の判決。 ■ 無謀な航海でヨット沈没 7月22日午後1時過ぎ、ブルターニュの北海岸沖で、12歳から16歳のボーイスカウト (軍隊的な規律で知られるキリスト原理主義派系の組織に属する)7人を乗せた全長4.5メートルのヨットが沈没。捜索依頼が午後10時と遅れたこともあり、深夜すぎに救助船が着いた時には、すでに4人が行方不明。悪天候の中での救出作業中に救助隊一人も行方不明になった。強風にもかかわらず航海を指令した責任者の判断ミス、ボーイスカウトたちの経験不足が原因とみられている。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。