高度のクオリティを誇るバシュングの新作アルバムは、前作 「PLAY BLESSURE」や 「OSEZ JOSEPHINE」に続いて、サウンド・ポリシーの顕著な変化に驚くし、アレンジの緊密さも類を見ないほど凝ってきた。 粘土をこねて、様々な愛を表現するバラード「MALAXE」や、愛の敗北を軍隊の敗北に喩えた絶品「FANTAISIE MILITAIRE」 など、センチメンタルな内容の歌が多いが、彼独特の言葉のコラージュが時には刺激的で、このCDの強壮剤的な役割を果している。 「MES PRISONS」 等では、ロックでいながら弦の類が頻繁に使われ、特に「ODE A LA VIE」のサウンドは、まさに50年代に活躍したペルーのM・ヴィヴァンコ楽団を彷彿とさせる、弦楽器への回帰。レトリックな詩法で歌う人生賛歌「ANGOLA」が美しい。全体的にオリエント風なサウンド。(南) |