ちょっとしたお祝いごとの度に利用したくなる、こぢんまりとした温かみのあるレストラン。ユネスコ本部近くで、客層も初老のカップルなどが多い。お昼どきなら、必ず試したいのが plat du jour(14€)。日替わりで、毎回素材も盛りつけも違うから、毎日でも通いたくなる。あとは、お腹の空き具合や予算などに応じて、タパスか前菜、もしくはデザートを加えたら、もう立派なコースだ。
選りすぐりのワインも比較的リーズナブル。友人はブルゴーニュのSantenay(6€)、私はラングドックのCaunettes(5€)をグラスで注文。どちらもしっかりと香り高いワインで納得。ワインがテーブルに現れると、チーズやエスプレット産唐辛子風味のシュー、グジェールが給仕され嬉しくなる。
前菜はジビエのテリーヌ(8€)。3色のビーツのピクルスに覆われて美しい。〈ジュ・ペルレ〉という鶏ブイヨンと白ワインのソースも添えられ、見た目がきれいなだけでなく、味にも細やかな気遣いを感じる。
この日の日替わりは、若鶏の胸肉のロースト、香ばしく焼かれた鶏に肉汁がたっぷり添えられ、付け合わせのバターナッツという、カボチャのピュレもとても滑らかな舌触りでリッチな味。ヘーゼルナッツがさらなる香ばしさを演出しているのもいい。翌日のメニューをフェイスブックでチェックしてみたら、アジャン産のプルーンを添えた雌シカのソテー、と季節感たっぷり。友人が選んだ豚のフィレミニョン(18€)は、香ばしい衣をまとっていて面白い食感。ちょっぴり苦みのあるケール(キャベツの一種)とタマネギのピクルスの小片、そしてオクサリスという酸味のあるクローバーの葉が添えられ、これまた見た目だけでなく、味のバランスが素晴らしい。
デザートには〈パリ・カルカッソンヌ〉(9€)を選びたい。パリ・ブレストのアレンジで、シェフの出身地カルカッソンヌ産のヘーゼルナッツがたっぷり使われているが、軽く仕上げてあるのが特長だ。
ひとつひとつ丁寧に仕上げられた料理が登場するだけに、給仕のタイミングはゆったり気味。たっぷり時間のある時に訪れるのがおすすめだ。(里)
L'Escudella
Adresse : 41 avenue de Ségur, 75007 Paris , FranceTEL : 09.8228.7070
アクセス : M° St-François Xavier / Ségur
月~金 11h30-15h/19h-0h 土日休