アソシエーション 「コルトCORTO」は、シチリアの農家とフランスの消費者をつなぐ団体だ。11月から翌年6月にかけて年に5、 6回、かんきつ類を中心とした農産物を共同購入している。コルトはイタリア語で 「短い」という意味。流通業者を介さない産地直送を意味する。マージンを取らず売り上げはすべて生産者団体に送る非営利のボランティア団体である。
生産者は、2007年設立のシチリアの有機農業協同組合 「レ・ガリーネ・フェリーチ (幸せな鶏)」だ。「有機農業で放し飼いされる鶏は幸せ」という意味で組合名をつけた。
かんきつ類、オリーブ、アボガド、はちみつ、アーモンドなどを生産する30の個人農家と小規模農業団体が加入している。自家製作物をジャムやワイン、ペーストに加工する農家もある。
イタリア在住のジュリアン・マスコロさんが 「レ・ガリーネ・フェリチ」の農産物をパリ18区のアマップ(AMAP:家族経営農業を守る会)会員に紹介したことから直送が始まり、その後コルトが設立された。会長になったマスコロさんはトリノでアマップのイタリア版といえる産消提携団体 「ガスGAS」に加入しており、小規模農家支援の意識が高い。「他にも農産物があるが、近場の農業保護の観点から、パリ近郊で栽培できるものは取引しない」と言う。
コルトは本部と、配布をオーガナイズする各地の加盟団体からなっており、注文したい人はこれらの団体の会員になる。配送日と商品がイタリアから連絡されると、加盟団体が事前に会員の注文をまとめて本部に連絡する。配布のしかたはアマップと同じだ。
2009年に1ケースの配送から始まったシチリアからの産直は、現在90団体 (800人)を擁する大きな動きになった。2014年の取引高は30万ユーロ。値段はBio の店より少し安め。Bio の店にもない美味な農産物と加工品が人気だ。(羽)
www.corto.ouvaton.org