知人のジュリアンは、イケメンのスキーインストラクター。そんな彼と先日、雪道走行について話が盛り上がったので紹介したい。
彼の言うには、現地人なら冬の初めにはタイヤをスノータイヤに換え、少しの降雪でも安全運転を心がけるのは常識。しかし日帰りや週末スキーに来る人は多くが夏タイヤのままで、はやる気持ちを抑えきれないのか低速運転をしないばかりか、アクセル全開で追い越しをかけカーブでスピンし、雪の壁に激突なんていう光景は日常茶飯事という。またチェーン装着場所に入りあぐねるうちに積雪地帯へ突入してしまい、停止したが最後タイヤが虚しく空転し、周囲の怒号のようなクラクションを受けながら慣れないチェーン装着をする気の毒な人たちをワンサカ見るという。細い山道は、たちまち大渋滞だ。
「雪と無縁の地に暮らしていれば、年に1回のスキーのためにスノータイヤの購入を見合わせたいのは分かる。せめて30ユーロもあれば手に入るチェーンの購入は必須だ」と彼は言う。
「チェーン装着を促す標識が出たり、運転中少しでも積雪が認められたら迷うことなくチェーンを装着して欲しい。狭い山道に空き地は少ないが、明らかに個人の駐車場でも空いていれば、『チェーンを付けるだけだから』と頼んで拝借すべきだ。装着は初心者でも30分もあれば完了する」
2月末のバカンスに集中的な降雪で高速道路A40、A3、A8が完全にマヒしてしまったことが思い出されるが、これも突然の降雪ではなく事前に予想されるから、1日出発を遅らせ、ことなきを得た知人もいる。冬の雪道では、普段以上に用心深く対応し快適に過ごしてもらいたい。なお、夏タイヤでの雪道走行は罰金135ユーロです。(和)