昨年7月にエッソンヌ県ブレティニー・シュル・オルジュ駅で起きた列車事故(死者6人)の司法捜査の一環として6月末に提出された報告書の内容を7月6日付各紙が報じた。報告書は故意の犯罪の可能性を皆無とし、SNCF(仏国鉄)の線路のメンテナンスを「前代未聞の荒廃状態」と厳しく批判。脱線の原因はレールから外れてポイント切り替え部分にはみ出していたレール継ぎの金属部品。報告書によると、事故のあった線路と周辺機器に211カ所の異常が認められ、SNCFはそれらを知っていたのに適切な処置をしなかった。また、事故の1週間前に同駅付近の線路の点検が行われたにもかかわらず、目視のみの点検だったために重大な異常が見逃されたとし、メンテ体制と点検者の技能が不十分であるとした。SNCFは昨年10月に線路のメンテの強化計画を発足し、ポイント切り替えを交換するなどしており、今回の報告書に反発。