フランス人に一番人気のベトナム料理というと、文句なしにこのボブン。今回は、揚げ春巻きが入らないバージョンです。下準備にちょっと時間がかかる気がするけれど、思ったよりも簡単に、本格的なボブンができてしまう。
調理する2時間前にニンジンの甘酢漬けを準備(これは右欄を参照)。次は牛のランプを薄く切ってからせん切りにする。レモングラスは、根に近い白く太めの部分だけを使うのだが、ひと皮むいてからごく細かくせん切り。玉ネギとニンニクはみじん切り。以上をボウルにとり、オイスターソース、ニョクマム(ナンプラー)、砂糖、油を加えて混ぜ合わせ、そこにせん切りの牛肉を入れ、30分ちょっと漬け込む。
モヤシは熱湯をかけてから水気を切る。キュウリは5ミリの厚さに輪切りにしてからせん切り。レタスは洗って水気を切ってから小さく切り分ける。ミントの葉はみじん切り。コリアンダーとバジリコは葉を茎からはずす。ピーナッツは軽く炒ってからすり鉢にとり粗くつぶす。ニョクマムソースを準備する(これも右欄参照)。細いビーフンvermicelles de rizは、3、4分ゆでたらざるに空け、すぐに冷水で冷まして水を切り、ハサミを入れて食べやすくしておく。米粉より春雨vermicelles de sojaの方が歯ごたえがあってうまいという人も多い。これは6分ほどゆでる。フライパンに油をとって強火にかけ、油が熱くなったら、肉を、漬けておいたタレと一緒に5分ほど炒める。これで下準備完了だ。
大きな碗それぞれに、一人分の、ビーフン、レタス、キュウリ、ミント、それにニョクマムソースを大さじ3杯入れて混ぜ合わせる。その上に熱々の肉をやはり一人分のせ、甘酢で漬けておいたニンジンをかざり、ピーナッツを振りかけ、コリアンダーとバジリコを散らせばでき上がり。残ったニョクマムソースを、別に添える。スプーンで全体を大きく混ぜ合わせてから味わう。この一品、初夏の暑い日に最適!(真)
4人分:牛肉(ランプ)400g、細いビーフンvermicelles de riz 320g、モヤシ200g、キュウリ半本、レタス(バタヴィアなど)の葉6、7枚、ニンジン3本(甘酢漬け用)3本、ミント4茎、コリアンダー4茎、タイ産バジリコ4茎、生ピーナッツ大さじ4杯、油
牛肉のタレ用:レモングラス2本、玉ネギ1個、ニンニク2片、オイスターソース大さじ2杯、ニョクマム大さじ2杯、砂糖大さじ1杯、油大さじ1杯、コショウ
●ニョクマムソース
揚げ春巻きや今回のボブンだけでなく、ベトナム料理に欠かせないニョクマムソース。各家庭、各料理によって、いろいろなバリエーションがある。今回のボブンには、4人分として、ボウルにまず砂糖を大さじ4杯とり、熱湯を大さじ8杯注いで、砂糖を溶かす。ここへ、ニョクマム大さじ4杯、ライムの搾り汁大さじ3杯を加えてよく混ぜ合わせる。そして使用寸前に、おろしたニンニク1片と、種を抜いてから薄く小口切りにした赤唐辛子を加えればでき上がり。料理によっては、くだいたピーナッツや、みじん切りにした細いネギを加えてもいい。
●ニンジンの甘酢漬け
ベトナムレストランでは、ニンジンの甘酢漬けが、いろいろな料理に添えられてあることが多い.今回のボブン用なら、4人分としてニンジン2、3本、皮をむいてからせん切りにする。これにさっと塩を振りかけ、軽くもむようにしてから30分置いておく。この間に、日本酢大さじ4杯、水大さじ4杯、砂糖大さじ2杯で甘酢を準備する。ニンジンを手でしぼって水気を切ってから、甘酢に2時間漬ければでき上がりだ。このニンジンの甘酢漬け、たくさん作ることをおすすめしたい。密閉できる容器に入れて冷蔵庫に保存しておけば、1週間はらくに持つ。
●ビーフン炒め
太めのビーフンを炒めてみよう。豚肉か牛肉を細く切る。万能ネギは5センチの長さに切り分ける。ニンジンはせん切りにする。ニンニクとショウガはみじんに切る。中華鍋か大きめのフライパンに油をとって、肉を、半量のニンニク、ショウガと一緒にさっと炒め、塩、コショウ、火が通ったら取り出す。中華鍋に油を足し、残りのニンニクとショウガを加え、今回のボブンより少々長めにゆでたビーフンを、肉、ニンジン、万能ネギと炒め合わせ、モヤシを足す。モヤシがしんなりしたら、オイスターソースを加え、全体を混ぜ合わせれば完成。コリアンダーの葉を散らし、チリソースを添える。
4人分:ビーフン320g、肉250g、万能ネギ4本、
ニンジン1、2本、モヤシ100g、ニンニク3片、ショウガ親指大、オイスターソース大さじ3杯、コリアンダー適量、油、塩、コショウ
ニンジン1、2本、モヤシ100g、ニンニク3片、ショウガ親指大、オイスターソース大さじ3杯、コリアンダー適量、油、塩、コショウ