アメリカの調査機関Inrixがこのほど、ヨーロッパ各国・各都市別の交通渋滞時間ランキングを発表した。それによると2013年度は、ヨーロッパの中で渋滞ナンバーワンの座に輝いたのは、ベルギーとその首都ブリュッセルだったが、パリの渋滞率も相変わらずであることが明らかになった。
みごと渋滞時間第1位に輝いたベルギーでは、ドライバー1人が年間約58時間を渋滞の中で過ごしたことになるという。2位にはオランダの44時間が入り、続いてドイツとフランスの35時間、ルクセンブルク、イギリス、イタリアの31~24時間と続く。
一方、都市別では、渋滞時間の数字はさらに跳ね上がる。トップに立ったブリュッセルは83時間で、その後をロンドンの82時間がピタリと付け、パリは5位の55時間に留まった。ちなみにフランス主要都市の年間渋滞時間を見ると、リヨン43時間、グルノーブル42時間、ボルドー41時間。
しかし5位のパリとて誉められたものではない。詳細に見てみると、全長35kmのペリフェリック(環状道路)のPorte de Saint-CloudとPorte d’Orléans間12kmでは、ドライバーは年間77時間も無駄にしていることになるそうだ。当然ながら、ここはフランスで一番渋滞する場所である。
オランダ系GPSシステム会社TomTomが、「こここそが渋滞ナンバーワンの都市」としているマルセイユを、Inrixは調査していない、と異議を唱える日刊紙もある。
フランス人は、交通渋滞に慣れているはずと思いきや、やはり目の敵。考えてみれば、フランス人の1週間の労働時間は35時間。1年のうちに、その1週間の勤務時間分を渋滞の中で過ごしていると思うと…さすがにもったいない気がする。(和)