ヴァルス内相は1月6日、コメディアン、デュードネ(47)の公演「Le Mur」が人種や宗教を理由に差別と憎悪を扇動し公共秩序を乱すものとして、公演禁止を求める通達を各県知事に送った。これを受けて、ロワール・アトランティック県知事はナント市での公演を禁止、トゥール市、オルレアン市もこれに続いた。デュードネの弁護士の禁止措置破棄の訴えに対して同県行政裁判所は9日、公共秩序かく乱の危険があるという理由で公演を禁止するのは行き過ぎと、禁止措置を無効とした。ところが、内相の訴えで国務院は同日午後にその無効判断を破棄。結局、同日夜のナント公演は中止となった。デュードネは2006年以降、反ユダヤ人発言のため人種差別扇動の罪で9度有罪判決を受けている。