15区のユネスコ別館近くに、オープンしたばかりのスペイン料理店。はやりのタパスバーとは一線を画す家庭的な店だ。15区、18区の店に引き続き、ご主人のエウセビオさんが温かく迎えてくれ、まるでスペインの片田舎にいるような気になる。
まず試したいのはパエリア(17.5€)。「色を大切にしたいのでエビだけは先にゆでたものだけれど、他の素材はすべて生の新鮮なものを使っているよ」と、エウセビオさんが胸を張るだけはある自慢の味。量もたっぷりあり、前菜にタパスを一皿、二皿とれば、2人で分けて充分だ。農家産の若鶏、手長エビ、コック貝、エビ、イカ、ムール貝、グリンピースと具だくさんでおいしいダシがたっぷりでているのも嬉しい。
タパスに選びたいのは、定番のスペインオムレツ、トルティージャ(15€/8€)。私たちは8€の1/2サイズを注文したのだが、2人では食べきれないボリュームで半分はお持ち帰りに。もうひとつ、ヒラタケのニンニク炒め(8.5€)も、シンプルながらひたすらおいしいおすすめ品。お供のワインは、当然リオハで決まり! 数種類あるうちから、FaustinoVIIをピシェ(50cl 11€)で頼んで味わった。
今宵の仕上げは、Turrón(4.5€)という菓子。アーモンドたっぷりのスペイン版ヌガーで、柔らかいのと固いのがあり、私たちは柔らかタイプをシェア。極甘なので、コーヒーも同時に頼むのがいい。
おいしくてボリュームたっぷりの食事に、満足満足とうなっていたら、これも飲んでみる? とエウセビオさんが食後酒をサービスしてくれた。アニスのような爽やかな香りが鼻をくすぐる酒は、エウセビオさんの故郷にふんだんにある野生のハーブで作ったとか。
他にもイカスミのパエリアや生ハムなど興味深い料理はあるし、昼にはメイン+1/4ワインで14.5€という見逃せない日替わりメニューもあるが、何よりの魅力は、何年も前から知り合いかのような錯覚になるエウセビオさんの親しみ深さ。また来よう。(里)
Chez Eusebio
Adresse : 14 rue Miollis, 75015 parisTEL : 09.5033.0403
12h-14h30/19h30-22h30。日休。