Promenade en vélo
パリはとかく交通量が多い。車と並走するのは緊張するし、排気ガスは吸い込みたくない。子どもと一緒ならなおさらのこと。だがパリでも安心してサイクリングを楽しめる穴場があった。
19区にあるAICVは、アソシエーションとして運営する自転車工房だ。体の不自由な人向けの自転車も提供する貴重な場所だが、一般の人にも様々なタイプの自転車をレンタルする。子ども用自転車はもちろん、チャイルドシード付き自転車、タンデム、VTT、ハンドバイク、リカンベント(仰向けに近い姿勢で走る自転車)などを用意。旧環状鉄道の高架線跡にあり、ウルク運河は目と鼻の先。運河には自転車専用レーンが走っており、車を気にせず、サイクリングに出発できる。
例えば、北のラ・ヴィレット公園を横断しウルク運河沿いの自転車レーンをひたすら走ってみよう。水辺の釣り人やカモの遊泳、ポプラ並木に心が和むだろう。同時にタグ(スプレーの落書き)だらけの廃墟や橋といった、ちょっと荒んだバンリューらしい光景も目に飛び込んでくる。途中にはベルジェール県立公園もあり、太陽の下でお弁当を広げるのもよさそうだ。一方、AICVから南下すれば、運河沿いのパリの風景が楽しめ、これまた一興。さあ新緑が深まる季節、子どもと一緒にペダルでこぎだしてみよう。(瑞)
●AICV
火〜土9h30-18h、日9h30-19h。月休。
冬期は日月休。
レンタル料は、たとえば3時間以上だと
平日12€/週末15€。
自転車教室も定期的に実施。
38 bis Quai de la Marne 19e M°Ourcq
01.4343.4074 www.aicv.net/
タグだらけの壁も郊外の風景。
謎の廃墟も出現。
ラ・ヴィレット公園の運河沿い。 半円球型の映画館GEODEが 銀色に輝いている。
ポプラ並木が続く。
AICV
駐輪する時は、忘れずに カギをかけること。