パリのポンピドゥ・センター前広場にジネディーヌ・ジダンの巨大な頭突き像が出現した。2006年のサッカー・ワールドカップ(W杯)、イタリアとの決勝戦でマルコ・マテラッツィに食らわせた、あの頭突きだ。アルジェリア人アーティスト、アデル・アブデスメッド氏の作品で、10月3日からポンピドゥ・センターで開催されている彼の展覧会「わたしは無実」(1月7日まで)の作品群の一つ。レッドカードをもらって退場させられたジダンが「無実」であるかどうかは別として、5メートル以上もある銅像は、W杯の不祥事を後世に残るものに変え、堂々とそびえているように見える。不意をつかれてのけぞり、浮き足立っているマテラッツィに比べ、地面をにらみ、両脚をしっかりとふんばるジダンには確信犯的な強さが感じられる。像をバックに記念写真を撮る人が絶えない……ジダンは永遠という印?(し)