パリのサンラザール駅の近くを歩いていたら、不思議な建物に遭遇した。ファサードがほぼ全面木造りで、ビールのジョッキを手に持った王様の像がファサード中央に堂々と立っており、屋根の上にはコウノトリの像が……。よく見ると、ファストフードのマクドナルド! 調べてみると、この建物は19世紀末に建てられたもので、アルザス料理のレストランだったという。レンガを土台としたアルザス風の木骨建築で、屋根とファサード、1階の内部が1997年に歴史的建造物に指定された。王様は伝説のビールの王様「ガンブリヌス」だ。ファサードは最近、歴史的建造物建築家の監督のもとに改修が終了し、内部も修復中。フランス文化の敵とみなされることの多いマクドナルドも、改修費用の一部を負担しているとか。(し)