ギターを弾きながら自作を歌うヴァレリー・バリエの新作CDは、バルバラ、アズナヴール、ラマの伴奏を務めたアレンジャー兼アコーデオン奏者セルジオ・トマシとのコラボレーションで、大がかりな編成のぜいたくなアルバム。母親は60年代の人気女性グループ〈レ・パリジェンヌ〉の一人で、父親のリセ・バリエは有名なファンテジスト歌手、彼女はファンテジストではないが、推こうを重ねたテキストを書く才能に富む。表題曲『Béni』は、身体障害者の子供への愛情が溢れ、バンジョーの響きが明るい。『Le Feu à paille』は、日本で大人気のザーズが歌いそうな乗りのいい曲。『Ecrire』はボサノバのリズムに、アコーデオンの調べが絶妙に絡み合う。舞台での、ボリス・ヴィアン作「怒鳴られるために人、此処にあらず」はみごとだった。(南)
12月21日迄。水曜のみで20h。
15€/10€(Fnac)。
L’Essaïon : 6 rue Pierre-au-Lard 4e
01.4278.4642