大工が趣味、あるいは趣味を超えてしまっているフランス人が多い。2009年にIpsosが行った世論調査によると、フランス人の77%が家やアパート内の大工仕事は自分でやりたいと思っている。そして52%が、家具の修理や棚付けといった簡単な日曜大工だけでなく、もっと本格的な内装などもやってしまおうと考えているのだ。こんな傾向をテレビが放っておくわけがない。
2006年に放映開始、M6局の〈D&CO〉は、そんな「大工番組」の中でトップの人気。たとえば、思春期の娘二人と住んでいるマリーさんのアパートは、古びた家具がいっぱいで手狭、寝室の配置も悪い。あるいは、それぞれ子供を二人持つパスカルとソフィーが一緒に住むことを決心し、農家を買ったがぼろぼろ家屋。仕方なく、使える2部屋に6人で住んでいる。そんな問題住居を1週間で改造してしまう、というのがこの番組の内容。
司会というかその工事の指揮をとるのは、テレビジャーナリストで大工仕事が何より好き、テキパキとした性格で男まさりの太い腕、と頼りになりそうなヴァレリー・ダミド。彼女の手になる変貌ぶりはかなり鮮やかで、それを最後に家族が見て「スバラシ〜イ!」と驚嘆するのが番組の見所になっている。ところが、なぜか原色に近いペンキを多用したり、一見するとオリジナルだけれどすぐに飽きがきそうな家具を入れたりで、ボクらの感想は揃って「趣味がワル〜イ!」
この番組は商売上手でもある。番組のサイトには、どのマークのペンキ、どこで求めた棚、鏡、家具などが明記され、それぞれのサイトから簡単にリンクして買い物できるようになっている。(真)
*M6、日曜18h40。