前号の〈Balade gourmande〉ではモーの町に出かけて、白かびチーズを代表するブリを取り上げた。チーズの産地には、ふつうそのチーズに合ったワインがあるものだが、モー周辺ではあいにくワインが作られていない。ではどんなワインを合わせようか? 1カ月ほど熟成されたくらいのまだクリーミーなブリには、フルーティであまりタンニンが強くない、ボージョレとかロワール川沿岸のガメー種の赤が合いそうだ。それ以上熟成がすすんで風味が深くなったものには、年代物のボルドーとかブルゴーニュをあけたいところ。ブリ・ド・ムランやクロミエも同様で熟成度に応じて選びたい。
同じく白かびチーズのカマンベールにも柔らかでフルーティな、ボージョレやコット・デュ・ローヌの赤。ロワールのナチュラルワインの赤などもおすすめ。camembert affiné au Calvadosといって、リンゴのブランデー、カルヴァドスに2週間ほど漬けて熟成したカマンベールもあるが、これにはカルヴァドス。
シャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方で作られている白かびチーズがシャウルスだが、これにはシャルドネ種のブドウから作られるブルゴーニュ産の極上の白、シャブリはどうだろう。(真)