アイオリは、ニンニクがたっぷり入ったオリーブ油ベースのソース、そしてそのソースが添えられた料理のこと。「アイオリは、プロヴァンス地方の太陽の熱と力と快活さを凝縮している。それだけでなく、ハエを追い払うという美徳も持っているのだ」と讃えられるくらいにプロヴァンスの人たちの自慢料理。
まずそのアイオリソースを作ってみよう。本格的にはああだこうだ、とうるさい人がいて、むずかしいソースとしり込みする人が多いが、ニンニク入りマヨネーズと思ってしまえばいいのです。ニンニク6人前で10片は、すごい量と思われるかもしれないが、このくらい入れないと南仏の味にならない。これをおろして、ボウルに割りほぐしておいた卵の黄身に混ぜ入れ、オリーブ油を少しずつ加えながらマヨネーズの要領で練り上げていくだけ。
アイオリソースさえ作ってしまえば、生野菜やゆで卵に添えれば簡単な前菜のでき上がりだが、今回は “grand aïoli” と呼ばれる家族や友人たちが揃った時に作るごちそうアイオリ。
まず干ダラ。普通のタラでは、アイオリソースに負けてしまう。前々回のブランダードのように、塩出ししてから15分ほど弱火でことことゆでる。巻き貝のbigorneauやbulotは普通塩ゆでされたものが売られているが、たまたま生が見つかったら、コショウをきかせ、タイムやローリエの葉も加えてゆで上げたい。ゆで卵も一人当たり1個用意する。
今度は野菜の番。まずよく洗うこと。新ジャガは小さめを選び皮はむかない。ニンジンは皮をむくだけ。カリフラワーは大きめに切り分ける。クルジェットは二つに切る。長ネギは白い部分だけを使う。以上をゆでるか蒸し上げるだけだ。
以上を大皿に豪快に盛り付け、もちろんアイオリソースを添えて食卓へ。ワインはコット・ド・プロヴァンスの冷えたロゼ!(真) 6人前:干ダラ1キロ、巻き貝500グラム、卵6個、
新ジャガ6個か小さければ12個、ニンジン500グラム、
クルジェット2本、カリフラワー1個、長ネギ4本
アイオリソース:ニンニク10片、卵の黄身2個、
オリーブ油300〜500cc、塩、コショウ