
10月のメニューはこれだ!
10月に入ると、八百屋、魚屋、肉屋に食欲をそそる食材があふれる。八百屋にはセープ茸cèpeが登場。最近はキロ40ユーロをこえたりするので、なかなか手が出ないが一度くらいは味わいたい。魚屋には解禁されたホタテ貝Coquille Saint-Jacquesに目がいく。ウサギLapinも脂がのって食べごろだ。
アントレ
ホタテ貝のカルパッチョにまさるものはない。10月は、生殖器官の舌corailが小さく貝柱noixが大きいのもうれしい。4人分で、むき身では新鮮度がわからないので殻付きのもを3キロ(1キロで5,6個)も買ったらぜいたくだ。魚屋に殻から貝柱と舌をはずしもらう。シンプルなバター焼きも、付け合わせなしでアントレにすると喜ばれる。貝柱に塩の華とコショウを振りかけ、バターを多めにとったフライパンを中強火にかけ、表面にきれいな色がつくように焼き上げるだけだ。レモンを添えて即座に食卓へ。舌も忘れずにいためましょう。
メイン
秋が深まると、定番のウサギ料理が登場する。ウサギ肉は、脂が少なく淡白な味わいで消化にいいけれど、ソースをいろいろと工夫して、その味わいを豊かにしたいものだ。干しスモモPruneauといっしょに煮込んだり、死のトランペット茸Trompette de la mortといっしょに白ワインで煮込んだりと、いろいろなレシピを紹介してきた。丸ごとローストにするときは別にして、煮込むときには肉屋に六つとか八つに切り分けてもらうことが大切だ。ウサギを自分で切りさばくのはかなりむずかしい!
日本人にはあまりなじみのないウズラcailleをつかった料理も試してみよう。日本ではあまり一般的ではないウズラcailleだが、フランスでは、ほぼどこの鳥肉屋でも売っている。とりわけ寒くなると脂がのってきて美味この上ない。丸ごと、白ワインやハチミツ、さらにブドウを加えて煮込めば、少々手間はかかるが、まさしく秋の味!しょう油や酒風味のたれに漬けてからから揚げというのも美味美味。
高価なセープ茸は、清水の舞台から飛びおりる覚悟で800グラムほど買ってボルドー風にすれば最高だが、ぼくは300グラムほどで足りるセープ茸入りリゾットにして秋ならではの味を楽しむ。
チーズ
ジュラ地方産のモルビエMorbierが食べごろだ。身の中央に濃い灰色の線が走っている。成型後のチーズを二つに切り分け、植物製の炭を塗っているからだ。熟成2、3カ月くらいのものは、クリーム色の身に弾力があり、ハシバミを思わせる柔らかな風味。サンドイッチにしたり、タルトに入れたり、ジャガイモやベーコン入りのグラタン、タルティフレットに、ルブロションのかわりにつかうのもおすすめだ。
エポワスÉpoissesは、美食家ブリヤ=サヴァランが 「チーズの王様」と讃えた、ブルゴーニュ産の牛乳チーズ。ナポレオンの大好物でもあった。塩水で表面を磨きながら熟成させるウォッシュタイプの一つで、その塩水にブルゴーニュ名産のマール酒も入るという極上品。熟成が進むと匂いが鼻につくが、身はとろとろ。味はキノコの風味を思わせ、どこまでもまろやか。

デザート
デザートは洋ナシとクルミのケーキにした。どちらかというとティータイム向きだけれど、バニラアイスやカスタードクリームを添えれば立派なデザートになる。
Champignon de Paris
マッシュルームは年中ある。サラダにしたり、さまざまなソースに加えたり、どんどん利用したい。かさが白いものと褐色のもがあるが、味はほとんど同じ。ころころっとしてかさがひらいていないものを選ぶ。新鮮なものは歯ざわりがよく、味もいい。数日間保存したいときは、適当に切り分け、20秒ほど塩ゆでにする。ビネガー少々加えると色が変わりにくい。タッパーに入れて冷蔵庫で保存。サラダなら白がいい。さっと冷水で洗ってキッチンペーパーで水気を切る。薄く切ってレモンをしぼりかけ、塩少々、オリーブ油を振りかけて混ぜ合わせ、きざんだパセリを散らす。

