
フランスは子どもには父親の姓を与える制度だったが(父親が認知していない子の場合を除く)、2005年の法改正により、母親の姓を与えることが可能になった。つまり、生まれた子には、父母の姓をハイフンでつなげた複合姓(例 Dupont – Leroy)、または父母どちらかの姓を付与することが選択できる。この法改正から20年、昨年生まれた64万4000人の子のうち15%に複合姓がつけられ、2014年に比べると5ポイント伸びたことが国立統計経済研究所(INSEE)の調査で判明した。
2025年生まれの子どもでは、以前のように父親の姓のみ受け継ぐ子が78.1%(2014年は83.2%)を占め、圧倒的多数派。次いで、父の姓‐母の姓の順につなげた複合姓が11.4%(同8%)、母の姓のみが6.8%(同6.5%)、母の姓‐父の姓の複合姓が3.7%(同2.2%)。つまり、複合姓であれ、単独姓であれ、母親の姓を継承する割合が21.9%に上り、少しずつだが着実に増えている。
ダブルネームは両方の姓を残すことで、離婚率が50%に近いフランスで離婚後に子どもを引き取る母親と子が異なる姓であることで生じる様々な不便を解消する実用的な効用もあるし、子孫に姓の選択肢を与える意味もあるようだ。そのほか、科学者、芸術家、著名人などの女性は子孫に自分の名を継承することによって、自分の功績や名声から子孫が何らかのメリットを得る可能性を考えて自身の姓を子に与えるケースもある。法改正から20年を経て、父親の姓を継承する伝統的父姓主義に少しずつ変化が起きている。(し)
