
中国のオンラインファストファッションShein(シーイン)がパリのデパートBHVに1200㎡の売場を11月5日にオープンして以来、Sheinへの反発が高まっている。製造現場の劣悪な労働環境や環境破壊、ダンピングが懸念されており、Sheinは12月2日に国民議会の持続可能開発委員会に召喚されている。
フランス政府は5日、小児性愛的な人形や特殊なナイフなどの武器類がサイトで売買されているとして、48時間以内にそれらをサイトから削除しなければフランス通信業者により同サイトへのアクセスをブロックするとした。シーインは7日までに削除して当面は免れたが、裁判所の正式な判断が待たれている(11/26現在)。
また税関が6日、ロワシー空港に着いた同社商品の小包約20万個を開けた結果、8割が違法または危険な製品であることが判明。BHVオーナーであるSGM社のテナントへの売上金不払いや、SheinのBHV入りに抗議するブランドが次々と撤退を表明するなか、シャネルやディオール、ゲランなども13日までに撤退を決めた。
SGM社は14日、同社が所有する地方の旧ギャラリー・ラファイエット5店舗(ディジョン、ランス、グルノーブル、リモージュ、アンジェ)に18日から順次シーイン売場を開設する予定だったが、多数のブランド撤退の動きを受けて延期すると発表した。
また、流通、アパレル、玩具などの企業連盟および約100のブランドが19日、仏国内規則を遵守せず公正な競争に違反したとして損害賠償を求めてシーインを商業裁判所に提訴。シーイン問題は多方面に大きな波紋を広げている。(し)
