
Jeff Schildeの料理が好きだ。オヴニー891号で紹介した Au petit panisse を2年前に退き、短期限定シェフを経て、今年3月にいよいよ腰を据えたのが、昨年末にオープンしたこちらのお店。さっそく駆けつけてみた。
7€から始まる小皿料理を、前菜+メインの形式にとらわれず自由に選んで取り分けられるのはやっぱり楽しいもの。海の食材が多かったこの日は、数あるナチュラルワインの中からジュラの白をチョイス。サヴァニャン種の品のある個性がジェフの料理とマッチするはずだ。

まずはタラマとミモレットのミルフィーユ。幾層にも重なったジャガイモは絶妙な食感で、自家製タラマとの相性も抜群。ツブ貝のレムラード添えは、綺麗に処理されたぷりぷりの身がふんだんに入っていて、根セロリの風味が味を引き締めている。ムール貝がたっぷりのったブリオッシュのトーストは、口に入れた途端にさっくりと溶けて消えるほど軽やかで、フレッシュクリームの爽やかさと合わさってぺろりと食べられてしまう。ハドックにかけられたジャガイモのエスプーマの滑らかさと繊細な味わいにはため息がもれた。
デザートは唐辛子の香りが効いたイチゴのパヴロヴァ。そしてなんといってもジェフのシグネチャーであるヘーゼルナッツのパンナコッタ。パンナコッタの下に潜むヘーゼルナッツペースト、少量の塩とオリーブオイルがアクセントになっていて神がかった逸品だ。
決して奇をてらわず、けれども妥協のなさと確かな個性を感じる、そんな彼の料理を食べにまた来よう。(み)

パンナコッタ。


Au Petit Passage
Adresse : 8 rue de la Main d'Or, 75011 Paris , FranceTEL : 01.8389.6382
アクセス : M° Ledru-Rollin
火〜土19h-22h30 (金土23hまで)、日月休
