
Puits Couriot – Parc-Musée de la Mine
トロッコに乗って、ロワール県最大クリエ炭鉱の坑道へ。
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サンテティエンヌに来たなら、町の中心から歩いて行けるクリオ炭鉱見学ははずせない。石炭採掘が始まったのは1919年。1500人が働き、年間90万トンの石炭を生産していた。フランス北部の炭鉱地帯は戦争時は前線だったこともあり、戦線から遠いこの炭鉱は重要だった。
閉山は1973年、その後ミュージアムとなって 1991年にオープン。それにあたって、かつてここで働いた人たちが参加して再現した地下坑道をトロッコに乗って見学に行けるのがこの炭鉱の見どころだ。サンテティエンヌ周辺では、深く掘らなくても石炭が採れたため13世紀から採掘されていた。サンテティエンヌには炭鉱で働くエンジニアを養成するグランゼコール「国立鉱業学校Ecole des Mines」が1816年、パリの次に開校しているように、石炭とは長く深い付き合いなのだ。そして、このクリエ炭鉱はは地下725メートル (!)まで掘っていた非常にディープな炭鉱だ。
ガイドさんについて大脱衣室へ。数百もの作業服が天井に吊るされているさまは、現代アートのインスタレーションのようだ。炭鉱夫のことを「gueule noir (ギョル・ノワール)黒い顔」というほど、作業後は真っ黒だったから、国は1910年、炭鉱会社にシャワー設置を義務付けた。無事に地上に戻れ、熱いシャワーを浴びるのはさぞかし爽快だっただろう。
この後の見学コースは炭鉱の日々の決まりごとをたどる。出勤したらランプ室でランプをもらう。各自ランプ番号とその札があり、それの有無で誰が地下坑道で作業しているのかが分かるようになっていたのと、タイムカードのような役割もあったそうだ。


ヘルメットを被ったら鉄塔のエレベーターへ。乗り場は鉄塔のちょっと高いところにあり高所恐怖症者には辛い。エレベーターもギギー、ガタンガタンときしみ、振れまで再現され、どんどん体がこわばってゆく。地下に降り、トロッコ初乗車には浮かれるが、降りたとたん閉所にいる恐怖、崩れないだろうか、などの不安にかられる。ところが聞けばそこはたったの地下7メートル。実際の700メートルの100分の1であった。ビクビクすんじゃねぇ、馬鹿野郎、と、坑道のところどころに置かれた写真の炭鉱夫さんに呆れられている感じがした。石炭採掘のような重労働は自分には無理だと思っていたが、地下に降りるだけでこれとは…。炭鉱夫さんたちへのリスペクトの気持ちが、さらに膨らんだ。

フランスで初めて鉄道が敷かれたのは、サンテティエンヌからロワール川沿いのアンドレジユまで石炭を運搬するための鉄道だったが、このクリオ炭鉱の前にも線路と駅(gare du Clapier)がある。 今もローカル線が走っていて、駅のホームには通勤客らしい人たちを見かけた。駅舎は月に数回ライブハウスとして使われる。サンテティエンヌきっての産業遺産が今日も生かされていることが嬉しく、ブティックでは思い出の品をたくさん買ってしまった。(集)
▶ Puits Couriot – Parc-Musée de la Mine :
Parc Joseph Sanguedolce
3 bd Franchet d’Esperey 42000 Saint-Étienne
Tél : 04.7743.8323
火-日 10h-18h、月休、5/1、7/14、8/15など休館。
https://musee-mine.saint-etienne.fr/
バス(STAS)7番線でMusée de la Mine下車。
電車ならSaint-Étienne Le Clapier駅下車。町の中心にある市庁舎広場からは歩いて10分ほど。
坑道見学(ガイド付。約75分。サイトで24時間以上前に予約):8.7€。自由見学(坑道入場不可):6.65€ /いずれも25歳未満無料。


サンテティエンヌをもっと楽しもう!
★パリからの行き方:
パリのリヨン駅から直通TGVで3時間弱〜5時間半(乗り換えが2回などの場合)。
◉サンテティエンヌと近郊の公共交通博物館
Musée des Transports Urbains de Saint-Etienne et sa Région:
サンテティエンヌのトラムウェイは1881年に開通。車社会になり多くの都市がトラムを放棄していくなか、この町はトラムの改良と近代化を図りつつ絶え間なく走らせ続けてきた。南北を縦断する線は単純明解で観光客でも使いやすい!
博物館はトラムで働いていたボランティアが案内してくれる。
Av. Pierre-Mendès-France 42270 Saint-Priest-en-Jarez
水曜14h-17hのみ開館。 5€/3€
Tél : 07.7160.8239
www.musee-transports42.fr
トラムT1かT3 Hôpital Nord行Parc Champirol下車。
◉Halles Mazerat 常設マルシェで買物&食事!
朝から晩までやっていて、ランチや、夕方も、多くの人がアペリティフを楽しみにやってくる常設マルシェ。好きなものを買ってテーブルに座って食べられるのがとても気軽でいいのです。イタリアンでピザや野菜の惣菜、カキ6個11€、白ワインがグラス5€など。

Halles Mazerat :
2 cours Victor Hugo 42000 Saint Etienne
トラムT1、T3でBourse du Travailか、Saint-Louis下車。
月休、火水: 8h30-21h30、
木–土: 8h30-22h30、日: 9h-15h

◉ La petite cantine :
常設マルシェからすぐ。産業芸術博物館の前。
「小さな食堂」という名のレストランも人気店でおいしかった。
注文から5分もせずに料理が出てきたのも、産業の街という感じがした。
エスカルゴ、カエルの腿、子牛、牛サーロイン、サラダなど。
朝(カフェ)と昼のみ営業。
19 cours Victor Hugo 42000 – Saint-Étienne
前菜+主菜+デザートで19.50€
主菜のみ14.50€。ワイン4.50€。
月〜土 8h-15h、日休。


Puits Couriot - Parc-Musée de la Mine
