パリ市は「SUV」(Sport utility vehicle スポーツ用多目的車)の駐車料金を3倍に上げることを市民投票によって決めた。パリ1〜11区では1時間6€だったのが、18€に。12〜20区では4€から12€に上がる。市民投票は2月4日に行われ、9月から適用される予定だ。パリのおよそ13万台が影響を受け、350万ユーロの収入が見込まれている。
1.6トン以上の大型車で排出量が多いとされるSUVが対象だが、在住者、業務用車両で専用パーキングがある車、タクシーで専用パーキングがある車、健康・医療分野自動車、障害者には適用されない。
しかしながら、パリの130万人の有権者のうち8万人弱という投票率の低さと、54.55%の僅差での決定には不満の声も多い。パリ市による一連の車締め出し策(公共交通と自転車優先のためのバスレーンや自転車レーン配備、排出量レベルを示すステッカー義務で大気汚染のひどい日は乗り入れを規制、セーヌ河岸の自動車道を遊歩道にするなど)で、自動車利用者にとってはどんどん厳しくなっている。自動車関連の経営者団体などは、裁判でこの結果を無効にして別途に市民投票を行うと自動車専門メディアは報じている。
パリの西側と東側では所得や政治意見も違うが、今回のSUV駐車料金に関しても、西の16区などでは82%が値上げに反対。対して10区ではほぼ77%が値上げを支持した。