モーツァルトが1777年、21歳のときに書いたピアノ協奏曲第9番『Jeunehomme』。このジャンルの傑作中の傑作とみなされている第20番〜27番と比べても劣ることのない名曲だ。第1楽章冒頭のピアノとオーケストラの対話、明るく軽やかなテーマ。第2楽章のアンダンティ―ノの沈んだ憂愁、最終楽章のロンドに突然はさまれる優雅なメヌエット…と様々な創意に満ちていて、古典派以降のピアノ協奏曲がここに始まったといってもいい。
リスボン生まれで今年78歳になるマリア・ジョアン・ピレシュ(ピリス)は、モーツァルトやシューベルトの名演で知られるピアニスト。2018年に舞台から身を引くと宣言してファンを悲しませたが、22年にカムバック。
6月15日のパリ公演でこの名曲を弾く予定だが満席*!でも、第2楽章のビデオをみてほしい。透明で端正なタッチでささやくようでいながら、よく響く一つ一つの音から敏感なやさしさがあふれる。それでいながらピレシュならではの気質が息づいている。(真)
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6月15日 20h-