Louis Boulanger – Peintre rêveur 「ルイ・ブランジェ、夢見る画家」
ルイ・ブランジェ(1806-67)は、ヴィクトル・ユゴーと親しく交わり、ロマン主義の中心にいた人だった。ユゴー記念館で開催される本展は、彼と仲間たちの作品180点を展示し、ロマン主義の世界にどっぷり浸らせてくれる。
15歳でパリ美術学校に入学。20歳にも満たない頃、アシルとウージェーヌのドゥヴェリア兄弟など、後にロマン主義の同志となる画家たちと友情を結んだ。1824年にユゴーと知り合ったブランジェは、彼の小説「ノートルダム・ド・パリ」の挿絵を描き評判をとった。ドラマティックな場面構成が、物語の雰囲気をよく表している。
ユゴーとは家族ぐるみの付き合いで、二人の娘、レオポルディーヌとアデルの幼い頃の肖像も描いた。アデルの表情には愛情を求めるようなひたむきさがあり、報われない愛から狂気に陥った後の彼女を予言したような絵だ。
ブランジェは優れた舞台衣装デザイナーでもあった。美しい水彩で自身がデザインした衣装をつけた俳優の姿を残している。
ロマン主義を体現したような画家だったが、死後、忘れられた。その理由は、自分の名を後世に残すことよりも、ロマン主義の発展を第一に考えていた人柄にあったという。その心ばえの良さは本展の開催で報われたようだ。(羽)3月5日まで
Maison de Victor Hugo
Adresse : 6 place des Vosges, 75004 Paris , FranceTEL : 01.4272.1016
アクセス : Bastille/Saint-Paul
URL : http://www.maisonsvictorhugo.paris.fr
火〜日 10 :00-18 :00 9€ / 7€