2022年は “慣らし運転”的な年
カンヌ映画祭のラインナップ発表会見が行われた4月14日(木)は、青空も広がり気温は急上昇。会場はシャンゼリゼ大通りの映画館UGCノルマンディー。ジャーナリストの参加率はまあまあで、徐々に熱気が戻ってきた様子だ。もはやマスク義務もなく陰性証明も必要ない。晴れやかな再会(再開)と言いたいところだが、映画祭ディレクターのティエリー・フレモーは釘を刺す。「私たちがそう思いたいとしても、これは“(コロナ)危機後の映画祭”ではありません。危機は2年続いたので回復も2年かかるでしょう」。つまり今年は、リアル開催を諦めた2020年、厳しい感染症対策下で初の7月開催となった2021年に続く、“慣らし運転”的な年なのだ。
とはいえ、アクレディテーション(映画祭参加許可証)の申請数は通常年で4万、昨年は2万だったが、今年はすでに3万5千。かなり通常レベルに近づいている。そして日程だが、例年の5月開催に戻り、5月17日(火)から28日(土)の予定。公式セレクション用に2200本の映画が選定委員会に鑑賞され、選ばれたのは49本。今後もリストは追加されてゆく。
開幕作品は “カメ止め”リメイク
開幕作品(コンペ外)に選ばれたのは、ミシェル・アザナヴィシウス監督、ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョが出演する『Z (COMME Z)』。こちらは2017年の超話題作、上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』のリメイク作品だ。上田監督はツイッター上で、「国内2館から始まった映画が、全国に広がり、世界に広がり、そしてカンヌにまで繋がっていくなんて思いもしなかった。」と喜びのコメントを発表した。https://twitter.com/shin0407/status/1514582934178910209
☞次ページ:日本からの出品映画と今年の見どころ