伝説の、とはいえ、実在した料理人フランソワ・ヴァテールの劇的な死から350年。それを記念してヴァテールゆかりのシャンティイ城で、ロラン・ジョフェ監督の『宮廷料理人ヴァテール』の上映会が開催される。巨額の予算を投じたロケ、ジェラール・ドパルデューがヴァテール役を演じ、ユマ・サーマン、ティム・ロースらが共演、音楽はエンニオ・モリコーネが担当という超豪華な作品で、2000年カンヌ映画祭のオープニングを飾り、日本でもヒットした。
時は1671年4月。コンデ大公のシャンティイ城を国王ルイ14世が訪れることになり、3日3晩続く、参加者が500人を超える大饗宴を天才料理人フランソワ・ヴァテールが仕切ることになる。ヴァテールは、かつてルイ14世の財務長官を務めていたニコラ・フーケの料理人だった。フーケがヴォー・ル・ヴィコント城で催していた華やかなテーブルにはド・ラ・フォンテーヌ、コルネイユなども招かれ舌鼓を打っていた。そのフーケがルイ14世の怒りをかって失脚したため、ヴァテールは現在はシャンティイ城の城主コンデ大公の料理人となっている。
3日間の饗宴は、1日ごとにテーマがあり、それに沿って舞台装置や花火、音楽などの余興が繰り広げられた。しかしその舞台裏といえば、かつて国王を裏切ったことがあるコンデ大公は、この晩餐会を成功させて王の信頼を取り戻す必要があるし、そのためには天才料理人ヴァテールをヴェルサイユ宮殿料理人として差し出すこともいとわない。国王の臣下ローザン公爵は、ヴァテールに思いを寄せるアンヌ(ユマ・サーマン)の秘密を握ったのをいいことに、沈黙とひきかえに彼女とベッドを共にしたい。さまざまな欲望が思いもよらないアクシデントとともに絡み合う。
有名な史実だからネタバレも許される。ヴァテルは、3日目に使おうと思っている魚が届かないことを苦に、また、ルイ14世に気に入られようと、コンデ大公がヴァテルを国王に差し出したことなどを苦に自殺する……。彼が息絶えた部屋には、アンヌへの愛の手紙がしたためられていた……。
屋外上映は、雨がちなパリなどでは空模様との相談だが、考えているヒマはない。あっという間に満席になるから、思い立ったら即予約だ。
▶︎予約はこちらのページから。
9月11日日
19h – 21h30 : 音楽、また地元の劇団によるミニシアター。
21h30 : 『宮廷料理人ヴァテール』
夜を通して、カクテルバー、軽食、シャンティイ城おなじみのcrème Chantilly (ホイップ・クリーム)などが楽しめる。
***電車移動の人はパリ行きの終電には乗れないので、あきらめるか、またはホテルを予約しましょう。https://bit.ly/3k4pFH1
料金:9月10日まで14€(ネットでの予約)、当日城でのチケット購入は15€。
7歳以下無料。パーキング無料。
※衛生パス要
※雨天、嵐などでキャンセルの場合は、払い戻し可。
※ピクニック持ち込み可。蒸留酒は禁止。テーブルや椅子も禁止。
※シート持ち込みで座るのは可。
※ペット(小さくても、バッグに入れても)禁止。
Château de Chantilly
Chantilly , FranceTEL : 03 44 27 31 80
アクセス : パリ北駅(Gare du Nord)駅からRER D線でChantilly-Gouvieux駅まで45分。またはGrande LigneのChantilly-Gouvieux駅まで25分。駅から徒歩で20分ほど。タクシーなら5分。
URL : https://chateaudechantilly.fr/chateau/
火休。城は10h-18h、庭園は10h-20h。