6月28日の市町村議会選挙の決選投票で、アンヌ・イダルゴ現市長(社会党、61歳)のパリ市長当選が決まった。2014年に初選出された同氏にとっての2度目の任期となる。
イダルゴ氏は、第1回投票で11%を獲得した欧州緑・エコロジーとの共同リストを組んで決選投票にのぞみ、48.49%の得票率を得た。パリ7区区長のラシダ・ダティ元法相(LR共和党、保守)は 34.31%、与党が擁立した候補、アニエス・ビュザン前保健相(LREM共和国前進、中道)は14.8%にとどまった。
「エコロジー党よりエコロジスト」と言われるほど、イダルゴ市長は環境対策に力を注いできた。セーヌ河岸の車両専用道を一部遊歩道にしたり、自転車レーンを市内にめぐらせた。自動車締め出し政策に対する非難は強く、とりわけレンタル自転車Vélib’運営や2011年に始めた電気レンタル自動車Autolib’の失敗は反対派から「イダルゴ・バッシング」の格好の対象となった。
昨晩、当選が決定した直後のスピーチでは、「当選は、パリ市民が呼吸ができる(好環境の)パリ、より快適で、人々がより連帯し、ひとりたりとも路傍に置きざりにしない町」を選んだことを意味する、と語った。フランコ独裁政権を逃れ、家族とともに2歳でフランスに移住したイダルゴ氏は、昨年春に亡くなった父親にも触れ、「共和国を理想に掲げてフランスに来て、娘がそれをパリでパリ市民とともに実現することを誇りに思ってくれているはず」と語った。
正式には、市長は今週金曜日召集される市議会で正式に選出される。163議席のうち96議席がイダルゴ陣営から選出されたため、問題なく選出されることが見込まれている。