和田茂行さん(43歳)
高知県生まれ、東京の大学で電気工学を勉強した後自動車関係のメーカーに勤めていたが、サラリーマン生活に違和感があり数年で退職した。次なるステップに選んだのは、パリで料理人になること。「海外に住んでみたかったのと、学生時代の居酒屋バイトで経験した料理をもっとやってみたくて。せっかくならフランス料理をやろう、とパリに来ました」。
会社員時代の貯金を携え、語学学校へ入学。学校には料理人、パティシエ希望の生徒が多くいたので、友達もすぐにできた。学校の紹介でマリウス・エ・ジャネットでスタージュを始めた。「料理学校で勉強した経験がなかったので、当時のシェフが食材のことも料理のことも、全部親切に教えてくれました」。ここで4年近く働き、料理のベースと料理人としての働き方を学んだ。
魚料理が中心の同店から、肉がメインのビストロ、クロ・デ・グルメへ。その後は、ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブションへ移った。ロブション流の良い素材を使ったシンプルな料理を知り、「飾りの多い高級料理よりも、気軽に食べられて美味しい、みんなが喜んでくれる皿を作っていきたい」と思うようになった。
ホテル・ブリストルの114、トゥーミュー等を経て、現在スーシェフを務めるル・ジョルジュに入店。ホテルのレストランにおけるスーシェフの仕事とは、「まさに中間管理職」だという。「シェフの希望を聞いて店のあり方に反映させる、食材の仕入れを含むコスト管理、スタッフの人事評価やスケジュール管理。店におけるすべての調整役といったところです」。多国籍なスタッフは個性派揃いだが、仲が良いのでチームを保つのにもやりがいを感じるという。
「お客様が満足できる料理を作るのはもちろん、一緒に働いているメンバーが満足できる環境を作るのが今の使命だと思っています」。(恵)
Le George
Adresse : 31 avenue George V 8e, 75008 Paris , FranceTEL : 01. 4952. 7209
アクセス : George V
URL : https://www.fourseasons.com/fr/paris/dining/restaurants/le_george/
無休 12h30-14h / 19h-22h