9月29日、パリで日本酒のイベントが始まる。《酒巡り in Paris》。パリの町のなかを、おいしいお酒を飲んでは次の店へ、飲んでは次の店へと歩いて回るかのような、なんとも楽しい響き。この、「ジャポニスム2018」の一環として行われる一週間の催しでは、パリのレストランやバーが日本各地の蔵元とペアになり、その蔵元のお酒と、それに合ったお料理を提供する。
イベントに参加する24軒は、星付きのフランス料理店や、シャンパーニュと日本酒で和食を楽しむ高級和食店、フランス国鉄の列車郵便物仕分け場だったホールを改造した文化施設の大食堂や、ベトナム創作料理屋さん、そしてイタリア料理店など。料理の国籍もジャンルも多岐に渡り、そこに集う人たちの年齢も収入もさまざまだ。
「日本酒を自分の店で出すのは初めて」というシェフもいるが、日々感覚を研ぎ澄ませている彼らが、日本酒にどう反応して、どんな料理を提案してくれるのかも、このイベントのおたのしみ。
今まで、日本酒を味わう場所は日本料理店の他にはあまりなかったけれど、この《酒巡り》で、日本酒は従来の枠から飛び出して、今までお酒を味わったことがなかった人たちに出会いに行く。(六)