Au Pays des monstres, Léopold Chauveau (1870-1940)
医師の仕事の傍ら、奇妙な生き物たちを描き続けたレオポルド・ショヴォー。2017年に彼の孫がオルセー美術館に寄付したデッサンと彫刻を元にした企画展だ。展示のタイトルは「怪物の国で」だが、ショヴォーの怪物はムーミンのようなホワンとした愛嬌があり、恐ろしさは全然ない。
ショヴォーは幼い頃から、ノートルダム大聖堂などの装飾にあしらわれている怪物ガーゴイルや、日本の妖怪の絵が好きだったという。自然史博物館の研究者だった父親の影響で、人間や動物の生理学などに親しんだ。父を喜ばせようと医者になったものの仕事が好きになれず、1905年(35歳)ころから独学で彫刻を作り始めた。テーマとなる「怪物」は、ときには親族、時に自分自身がモデルだという。
第一次大戦では、父、妻、息子ふたりを失った。亡くなった息子の姿が絵本に描かれている。特に日本では評価が高く『年をとったワニの話』『名医ポポタムの話』『子どもを食べる大きな木のはなし』など、何冊も和訳されている。この夏休み、ぜひ家族で訪れてほしい。9月13日まで。(羽)
オルセー美術館
Adresse : 1 Rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris,アクセス : Solférino
URL : https://www.musee-orsay.fr/
入館料 : 14ユーロ(全ネット予約制)。月休、9h30-18h00 、木-21h45 。11歳以上にマスク着用義務あり