フランス全国の小中学生1100万人以上が新学期を迎えた。子どものいる家庭にとっては学用品購入の季節でもある。ノートやペン、宿題をメモする手帳、計算機、運動靴、カルターブル(通学用かばん)…。
「自由の国」の看板を掲げるフランスの学校も、なぜか学用品に関しては「○ページある縦○センチ・横○センチのノートを」などと指示が細かいことが多い。6ème (中1)の生徒で平均190.24ユーロの出費となるので、国は低所得者層に「新学期手当」を支給する。6~10歳の子なら支給額363€。今年は280万世帯が恩恵を受けた。
買うべきものが一気に揃うハイパーマルシェは、9月に入ると学用品を求める親子で賑わう。学用品リストを手にした親子に話を聞いてみた。「うんざり。買うべき物を探すだけでひと苦労」「文房具が高過ぎる」「義務だから何も感じない」。大人からはポジティブな言葉がほとんど出てこない。いっぽう、子どもたちは、「新しい文房具を使うとやる気が出る」「買い物は大好き!」「毎年の楽しみ」と好意的な意見が目立った。
親にとってはお金も時間も飛ぶけれど、子どもには楽しい時間のよう。これでしっかり勉強してくれるのなら、大人は何も言うまい…。(瑞)