パリの、 バカンス。

couv作曲家でコントラバス奏者、そしてデッサン画家でもあるマーク・マーダーさん(60)。庭づくりのことは何も知らなかったけれど、15年前にテラスと庭付きの13区のアパルトマンに引っ越してきてから、その面白さにすっかりとりこになった。数年前には、パリ市が主催する庭のコンクールで受賞したことも。「何も知らなかったから、とにかく手当たり次第に植物や花を植えてみて、残っているのが今あるもの」と言いながら、ご自慢の庭を披露してくれた。

「自分の喜びのために弾く」ピアノが中央に置かれたサロンの先にあるテラスには、ジャスミンやジェラニウム、もみじ、アロエ、オリーヴ、イチョウ、分厚い葉をしたクラッスラなどが所狭しと並び、通りに面した長細い庭部分には、リラやイチゴ、フランボワーズ、ハイビスカス、ジャガイモが育つ。イチジクの木には、ツグミが寝にやってくるのだという。上階の住民がいつか種を投げたせいで、桜の木も生えてきた。
毎年いい季節になると、マークさんはジャスミンが香るテラスで長い時間を過ごす。「まるで楽園みたいですね」と言うと、「そうなんだ、だから、ついついバカンスに出かけるのが億劫(おっくう)になってしまう」と真顔で答えた。(さ)


Tags: