秋分の日も過ぎ、いよいよ秋らしい気候の今日この頃、肌寒く感じることが多くなってきた。煮込み料理まではいかないこの時期に最適なのがロースト料理。ゆっくり時間をかけてあぶられた肉は、旨味を中にとじ込め、そして油は排出されるので、バカンス太りの体にもやさしいというもの。
ハイレベルな店が軒を並べる激戦区、マルティール通りでちょっと評判のロースト&お惣菜専門店に行ってみた。ここは南西フランスのランド地方で、トウモロコシを食べて育ち、ラベル・ルージュの認定を受けた鶏だけを扱っている。この地方の豊かな大自然で自由に放し飼いにされることで脂身と筋肉のバランスが良い「霜降り」状になるのだそう。その身は柔らかさを残しつつも締まりがあり、かむほどに味わい深く、滋味を感じさせられる。4分の1羽と野菜の付け合わせのセットで8.9€はとても良心的。選べる野菜はバリエーション豊富で、どれにしようか迷ってしまう。私はナスのクミン風味とブレット菜にレンズ豆を合わせた。ジャガイモ類も、ピュレにグラタンにソテーと、定番が勢ぞろい。こんなお惣菜と本格的にローストした鶏が食べられるなんて、なんだか市場の中みたいだ。せっかくだから少しお酒もという人にはロワール地方のものを筆頭にナチュラルワインも楽しめる。
その他単品で、鶏のクランブル (8€)、鶏の串焼き (3.7€)、サンドイッチ (5€)などに、日替わりメニューなどもある。この日友人の頼んだ鶏のソーセージ (2本3.5€)は、かむほどに旨味あふれるものでとても気に入り、早速お持ち帰りにした。お昼のお得なメニューは鶏に限られるが、ここはそもそもロースト専門店。ウズラやホロホロ鶏、ハトに子ガモなんかも、生と焼いたもの両方を売っている。店内を見回すと、パテやブーダン、子牛のアショアに鶏のバスク風など、ガスコーニュやバスク地方の瓶詰め製品がずらりと並んでいて、そちらにも目移りしてしまう。(み)
Chez Plume
Adresse : 6 rue des Martyrs, 75009 Paris , FranceTEL : 01.4878.6543
アクセス : Notre Dame de Lorette
10h15-14h30/17h-21h 日夜休