ブドウの収穫が始まった。2003年に次ぐ、記録史上2番目の暑さとなった今年は、全体的に早めのスタートだ。農業省は、量的には昨年を1%下回ると予測するが、各地の生産者は「素晴らしい年になりそう」と、収穫が終わるまで天候がくずれないか、予報とにらめっこだ。
毎年、フランスで最初に収穫が始まるのが、スペインと国境を接するランドック・ルシヨン地方。生産高ではフランスでダントツ一位だが、今年は、さらに昨年を上回るだろうと言わている。
Fitou村にあるロラン・メナディエさんの白ブドウ、ミュスカ・ア・プチグランの畑では、収穫を8月7日に始めた。例年より一週間早い。まさしく「甘露」の言葉がふさわしい天然甘味ワイン、ミュスカ・ド・リヴザルトのブドウだ。ロランさんの別の畑に、ルッサンヌ種を収穫に行く。地元の若者7人の収穫チームと一緒だ。いかにも体力に自信がありそうな面々だが、作業も早い。みるみる容器がいっぱいになっていく。白い石灰質の岩肌に囲まれた畑には、海からの風が気持いい。ロランさんの畑には、熟す時期が異なるブドウが6品種。収穫は9月中旬まで続く。(美)