嬉しいことがあったら、行ってみたい店。

 ミシュランの一つ星ながらも、比較的リーズナブルな37€のランチコースがあり、星付きレストランの入門編としておすすめの店。ランチコースは前菜、メイン、デザートとも2種類から選択できるので、友人と私はそれぞれ一つずつ取り、全部を試してみることにした。グラスワインは赤白1種類ずつしかないが、友人がドメーヌを知っていた、お墨付きのリースリング(11€)を注文。
 落とし卵の入ったクレソンのポタージュは、美しいフォルムのガラスの器でく供される。鮮やかな黄緑にぽっかりと浮んだ、クリーミィな泡の軽さが心地よい。もうひとつの前菜は、サーモンのグラヴラックス。グラヴラックスとは、塩、砂糖、胡椒、アネットなどの香草で漬けた北欧風のマリネで、普通は香草の香りを強く感じることが多いのだが、この店のものはサーモンそのもののおいしさを全面に出した繊細な味で、オニオンピクルスがアクセントを添えている。
 メイン料理のLieu jaune はタラ科の魚。デリケートな白身魚だけに火加減が肝心なのだが、パーフェクトに仕上がっていた。付け合わせはギリシア風にオリーブオイルで煮たアーティチョークで、さらにオニオンリングが香ばしさを添えている。若いメス鴨のローストも、やわらかく焼き上げた胸肉はもちろん、フレッシュなタラゴンをあしらったソースも、鶏でダシをとったソース・プレットで味わい深い。ニンジン、カブ、サヤインゲンをキャベツで束ねた付け合わせも彩りと歯ごたえを楽しめた。
 デザートには、出回り始めたばかりのガリゲット種のイチゴがふんだんに入った、タピオカのココナツミルク風味。スペシャリテのひとつでもあるスフレは、ミラベルのリキュールの香りが素敵だ。
   ア・ラ・カルトだと予算は100€ 位からだが、88€のコースあり。シェフのガエル・オリユーさんはブルターニュ出身なので魚が中心かと思いきや、肉料理もイケル。高級感がありながらもスタッフは朗らかに応対してくれるので、何か嬉しいことがあったら、ロダン美術館すぐ横のこんな店で祝うのもいい。(里)


Auguste

Adresse : 54 rue de Bourgogne, 75007 paris
TEL : 01.4551.6109
月~金 12h-14h30/19h30-22h30 土日休