「アートでない作品を作ることはできるか?」と言ったのは、現代美術の祖、マルセル・デュシャンだ。この問いかけを基に、美術作品と、美術以外の分野の作品を展示し、いわゆる「美術」にこだわらない創作活動を見せる。久々に理屈なしに楽しめる展覧会だ。テオ・ジャンセンが竹や針金で作った、正体不明の巨大な仕掛け動物が風を受けてサササと走る姿は圧巻。役に立ちそうで実は使いにくい川上賢司の「珍道具」の数々、ブリジェット・ポルクが岩の上に微妙なバランスで石を立たせる作品、鳥の鳴き声を真似て住民同士が連絡を取り合うトルコの山岳地帯の人々のビデオなど。
Palais de Tokyo 13 av. du Président Wilson 16e
5月17日まで 火休 www.palaisdetokyo.com/