マダム・キミのシルバーラウンジ:4月1日号

T子さんのプロフィール:1931年東京生まれ(84歳)。
戦後、都内郵便局で働き、50年代フランス映画に感銘を受け、日仏学院の教師についてフランス語を学ぶ。
後にサイゴンで日系銀行に勤務した後、渡仏。

 何年に来仏されました?
 若い頃からパリに憧れ、1973年に来仏する前からフランス語を学び、和歌を作るかたわらヴェルレーヌの詩を愛しました。

 パリではどんな仕事につきましたか。
 日系銀行のパリ支店で働くことができ、勤続22年、62歳で定年退職しました。日本を離れる前に離婚していたので、愛ネコと共にパリでの独身生活を堪能しました。

 年金はどのくらい受給されますか。

 勤務年数が充分ではなかったのですが、月1220€位です。ブローニュに2部屋のアパルトマンを持っているので助かるのですが、それでも管理費が月300€もします。それに不動産税が年500€かかります。

 歩くのもたいへんなようですが、買物や食事などはどうしていますか。

 毎日午前中に配達してくれる市の給食(月100€)を取りましたが、私の口に合わないので止めました。たまに友人が料理を持ってきてくれますが、スーパーで買える持ち帰りのもので間に合わせています。

 たまに日本に帰国されますか。

もう20年以上帰っていません。日本にいる姉は91歳、頼りにしていた姪が昨年亡くなりました。帰国したくてももう肉体的に無理です。衛星放送で夜中の2時頃からNHK放送を見ているので「浦島太郎」にはなってないです。パリで一生を終えられれば本望です。

 フランスに親しいお友だちはいますか?

 東京でフランス語を教えて下さった私の恩人、V夫人がバカンス地に連れて行ってくれたりしましたが、10年前に亡くなりました。彼女には息子さんがいるのですが、都合により私が彼女の遺灰を大切に保管しています。

 パリ、フランス人のいい点は?

 私などがヨチヨチ歩いていると、出会うフランス人が笑顔で「ボンジュール」と声をかけてくれ、歩道でつまずいたりすると手を貸してくれます。ほんとうに優しい人たちです。