昨秋、現代アートとの出会いの場として華々しく誕生したルイ・ヴィトン財団美術館。主に財団所有の贅沢なコレクションを、大小11のギャラリースペースで展示する。誰もが目を見張るその外観は、まるでブローニュの森に浮かぶガラス製の豪華客船。それもそのはず、パリ市の紋章「大型船」をイメージして造られているのだ。86歳にして永遠の前衛建築家フランク・ゲーリーによるこの斬新な建物こそ、まずは一級の現代アートと言えよう。
一般に現代アートは「小難しい」というイメージがつきまとう。だが思えば、大人になっても子供のような感性を持ち続けられる人こそが芸術家。彼らの大胆で不可思議な作品群は、子供の柔らかな感性にまっすぐに訴えてくる。だから大人が思う以上に、現代アートとお子さまは相性抜群なのだろう。現代アートの殿堂、ポンピドゥ・センターやパレ・ド・トーキョーのように、ルイ・ヴィトン財団美術館もまた、子供客に優しい施設となっているのもうなずける。
ルイ・ヴィトン財団美術館の子供向けアトリエは週末やバカンス時期に多いが、平日に来ても大丈夫。3~10歳までの子供は、同美術館専用のアプリが入ったiPadを無料で借りられるのだ。iPad内には同美術館への理解を深めるクイズや、画家や建築家になったつもりでデジタル作品を制作するソフト、館内の指定された場所を自分で探し出して写真を撮るゲームなどを搭載。健闘の足跡は返却時にプリントアウトしてくれる。
また毎日無料のミニガイドも実施。指定時間に「MICRO-VISITE」の表示がある場所に集まれば、予約なしでガイドさんの案内が聞けるのだ。現代アートはコンセプトこそが大事。ガイドさんの話に耳を傾けた後は、親子で意見を交換しよう。そして作品鑑賞だけではなく、パリの眺めを一望できる屋上のテラス、地下のオーディトリアムや美しき水辺の回廊に立ち寄るのもお忘れなく。
電車で行くなら1番線サブロン駅から徒歩10分。遊園地ジャルダン・ダクリマタシオンに隣接しているが、同美術館だけでも見所豊富、親子ともども気持ちは十分満たされそうだ。(瑞)
iPadは1階受付で借りる。
無料ガイドを数多く実施。
子供にはiPadを無料で貸し出す。
テラスにも奇妙な作品と遭遇。
Fondation Louis Vuitton
Adresse : 8 av. du Mahatma Gandhi, 75016 ParisURL : http://www.fondationlouisvuitton.fr
月・水・木12h-19h、金12h-23h、土・日11h-20h。 大人14€/26歳未満10€/18歳未満5€/3歳未満は無料。