「9カ月待って生まれた赤ちゃんを2カ月半後に失った母親の悲しみを、さらに深くするとは…」
エソンヌ県シャプラン町に住んでいるロマ人家族の乳児が、12月26日に病死した。母親は、同町の墓地への埋葬を望んだが、クリスチャン・ルクレール町長は「墓地にあまり空いている所がないので、住民税を払っている人を優先」として、この願いを拒否した。それに対しロマ人支援団体は「人種差別だ」と直ちに抗議した。また隣町ヴィスーのリシャール・トランキエ町長は、上記の「9カ月待って…」という発言をし、よければ同町の墓地へ埋葬してもいいと申し出た。その後、政界や人権保護団体からも「非人道的である」、「恥ずべきことだ」などの声が高まった。シャプランの町長は、手続き的な間違いがあったとし、埋葬拒否発言を撤回したが、1月5日、乳児はヴィスーの墓地に埋葬された。埋葬に立ち会ったシャプラン町の住民の一人は「生きている時に邪魔者扱いされるロマ人は、乳児として亡くなってもやはり邪魔者扱いされるのか」と、語っていた。