先日、ジュラ地方に住んでいる友人が、熟成24カ月以上というコンテの大きなひと切れを持ってきてくれた。コンテは、お隣のサヴォワ地方で作られているボーフォールと並んで、パット・デュールと呼ばれる加熱圧搾タイプの名品だ。こういうチーズは、薄く切ってじっくりとかみしめたい。アミノ酸の粒がシャリッシャリッと歯に当たり、深い味わいが口の中に広がっていく。サヴォワ風サラダにはボーフォールを使うのが本格的だが、あまり熟成が進んでいないものでもおいしくできる。モンベリアールなどのくん製風味のソーセージを、20分ほどゆでて輪切りにしたものも入る。クルミを入れればさらにおいしくなる。
こんなチーズには、コクのある赤ワインはあまり合わない。チーズの繊細な風味を殺してしまう。やはりこの地方が産地の、アルボワの上品な風味の赤や、辛口でいながらフルーティで柔らかな風味の白がぴったりだ(真)