デジタル時代の文化センター、ゲテ・リリックで、現在、3歳~103歳までが楽しめる展覧会「Capitaine futur et le voyage extraordinaire」が開催中だ。«Capitaine futur (未来の船長)»とは、ゲテ・リリックが誇るイメージキャラクター。だが彼は一体何者なのか? 国籍、年齢、姿・形など、その一切は謎に包まれている。「姿がないイメージキャラクターなんて!」と、ゆるキャラ天国からやって来た日本人は、衝撃を受けるかもしれない。
本エキスポは、この謎の人物、Capitaine Futurがたどったコンピュータの向こう側への冒険の旅を、デジタルアートのインスタレーションを介し、来訪者が追体験していくというもの。光の速さで異空間を進むブランコ、巨人気分で地上を見下ろす航空地図…。展示物に触り、その上を歩き、声を発すれば、たちまち作品は反応し、場に化学反応が生じる。その変化に身を置き、感覚に身を委ねることで、内面からCapitaine Futurと出会うことができるだろう。永遠にあふれないインク壷、コーヒーの渦が回り続けるカップなど、摩訶(まか)不思議なCapitaineの私物展示も、想像力をかき立てる。
スタッフによると「子どもは体験をありのままに受け入れるが、大人は哲学的に解釈する人が多い」とか。いずれにせよ、冒険の味わい方は無限大。未知の感覚や感情が呼び起こされるかもしれない、ゲテ・リリック入魂の挑戦的な展覧会である。(瑞)
●Capitaine Futur et le voyage extraordinaire (2015年2月8日迄) :
La Gaîté lyrique 3bis Rue Papin 3e 01.5301.5151
M° Réaumur-Sébastopol
土・日11h-19h、水14h-20h、12月20日~1月4日の火~金12h-20h、月休 (火、木、金はグループ・学校参加のみ)。6€(3歳未満は無料)。
www.gaite-lyrique.net
ゲテ・リリックはお子様大歓迎
2011年に誕生したゲテ・リリックは、デジタルアートの創造と紹介に尽力する11 000m²の文化センター。業界人ばかりの冷たいスペースかと思いきや、実際は子ども連れ大歓迎の人間味あふれる場所だ。スタッフもパリとは思えぬほどに親切。年に3回ほど企画展がある他、コンサート、ダンス、演劇、映画などのイベントや、子どもが参加可能のアトリエを多数用意。12月28日 (15h) からは、子どもが主役のダンスイベント「LE CLUB DES CHATS」(5€) も開催。無料の読書・映像鑑賞、テレビゲーム用スペースもあり、館内は目を輝かせた子どもでいっぱいだ。
● Le centre de ressources de la Gaîté lyrique
2階のデジタル関係の資料が揃う登録無料の資料館。
火~土14h-20h、日14h-18h、月休。