ナポレオンが愛したチーズとして知られるエポワースは、ブルゴーニュ地方のエポワース町の近辺が産地。湿ったカーブで、マール酒で洗われながら、3カ月以上かけて熟成される。なめらかな表面はほとんどレンガ色で、ぬれたように光っている。匂いはかなり強力だが、中はとろりとどこまでもクリーミー。この対比がこのチーズの持ち前だ。ワインは赤だとしても、ロワールの軽い赤では、チーズに負けてしまう。そのチーズが作られている土地の銘酒が間違いないが、少なくとも、コット・ド・ニュイとかコット・ド・ボーヌのようなこくのある赤がほしい。コット・デュ・ローヌなら、クロズ・エルミタージュとかシャトーヌフ・デュ・パップ。でも、どれをとっても値が張る赤ワインばかり。そう、チーズ好きが困るのは、チーズだけでも安くはないのに、それに合わせるワインも、チーズの値に比例してどんどん高くなることだ。エポワースが食べたくなったら、銀行口座の残額をチェック。(真)